いま読みたいヴァージニア・ウルフ
あたり前すぎて、意識にすら上がらない…
こんな常識にいよいよNO!と言える時代の芽吹きを感じるこのごろ。
今朝、おもむろに開いたぱらぱらと分厚い『世界の名言名句1001』(三省堂)をめくった。
- 作者: ロバートアープ,大野晶子,高橋知子,寺尾まち子
- 出版社/メーカー: 三省堂
- 発売日: 2018/10/19
- メディア: 単行本
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ウァージニア・ウルフの物憂いけど信念の強さを感じる「目」にはたと手が止まった。
1882年ロンドン生まれの彼女は、社会が激動するなかで、
自分はどうありたいか、どうなりたいのか、そして女性と男性と人間について深く洞察してきた人であった。
ja.wikipedia.org
- 作者: ヴァージニア・ウルフ,川本静子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2013/05/17
- メディア: 単行本
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授業ではヴァージニア・ウルフを来る日も来る日も読んだ。
その時の凛と背筋を伸ばして教科書を読む先生の印象とウルフは重なったのだが、
残念ながら、どんなテキストを読んだのか、一切思い出せない…
しかしその名前と、媚びないで生きる女性像とインプットされたのは、
(そもそもそれが教育の狙いだったと思うが)いまは感謝しかない。
「男性の女性解放に対する反対の歴史は、おそらく女性解放そのものの話よりも興味深いでしょう」
ジェンダーギャップ110位の国、日本(ちなみに参加国は149か国)
誰にが気が付いていると思うが、女性解放は女性の問題ではなく男性の問題だ。
この結果に目を背ける、または麻痺しているのは男性だろう。
2位じゃダメなんですか?!
数年前に、スパコン「京」の予算に対して連坊氏が国会で答弁したことがありましたが、
2位と1位の比較にならない110位
もはや麻痺しているとしか思えないですよね。
しかも、自分をたなにあげて、その鉾先を女性に向ける。
論理のすり替えで。
性被害にあった女性が、悪い
育児休暇をとらせる女性が、悪い
働かない女性が、悪い
子どもを産まない女性が、悪い
子どものしつけが悪いのは、母親が悪い
なぜ、男性は女性が自由になろうとするとそこまでうろたえるのか…
そして、ヴァージニア・ウルフの時代より100年、
ウルフは「女性が小説を書こうとするなら、お金と自分だけの部屋を持たなくてはならない」と書いた。
随筆『自分だけの部屋』―-ケンブリッジ大学で行った講義をもとにしている――は、
架空の語り手と語りを用いて、架空の女性作家や登場する女性たちを考察し、家父長制度の悪影響を語った…。
いまお金と自分の部屋を持っている女性はどれぐらいいるのか。
- 作者: ヴァージニア・ウルフ,川本静子
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現代、自立している独身女性から「お金と部屋」を結婚という甘い包装紙に包んだ制度で
奪おうとしているのは、怯える男性とそれを手に入れられなかった女性ではないのか。
個人的にも圧迫感でうちひしがれそうないま、
ヴァージニア・ウルフを読みたい。