心理

大事なことはプーさんに教わった

本のこと、子どものこと、シンクロニシティ

AI読みではAIに負けるのパラドックス

子どもの読書について、いつも考えているピアスです。

本を読む子
本が読める子
文字が読める子
本を読まない子
本が読めない子
文字が読めない子


『AIに負けない子どもを育てる』新井紀子 東洋経済新報社

AIに負けない子どもを育てる

AIに負けない子どもを育てる

ベストセラーになった『教科書が読めない子どもたち』の第2弾となるこの本。


AIは結局東京大学に入ることはできなかったが、
その差はどうしてだろう。

AI読み

AIは文字が読めて文章が読めない。

AIが乗り切れない科目が何かわかりますか?

なんと「数学」

・誰もが、誰かをねたんでいる。
・誰もが、誰かからねたまれている。

なぜ数学なのか、答えは明瞭
キーワードになる文字が少ないからだ。

この2文を正しく読める人が、実は著者のアンケートの半数というのも驚きですが。

ということは、私たちにもAI読みが蔓延しているということで。
AI読みーー言葉通り文字だけの理解。

AIが読むのがにがてなのは文章と文章のつなぎ、機能語、行間を読むこと。

日本人は、小学校1,2年生でほぼ全員が読み書きはできるようになる。
ところが、3,4年生あたりで、本や教科書、板書の読みかたに決定的な差ができるという。

先の例文の区別が正確につかなくなってくるため
文章の読み取りがそもそもまちっがって、勉強の理解が程遠いものになるというのだ。

AI読みの背景には、単語の穴埋め問題がテストでふえたことや
先生が配るプリント類の変化、などなども原因と書かれているが、
それよりも圧倒的な違いは、言葉がけの数なのだろう。

3歳までに浴びる言葉の数と実体験で決まる、とこの本は述べています。

0歳児からの通園を義務化にというぐらい…。

各家庭での格差。

たとえば、散歩にバギーに乗せた場合と歩かせた場合の受ける刺激の数々のちがい。
犬を見たときに
大人が、「わんわんだねぇ」と子どもに言うとして、
それは「犬が歩いている」と大人が言わなくても、子どもは犬が歩いていると理解する。
幼児は五感で感じ取った外部のリアリティを「茶色、犬、飼い主、歩く」という記号列でしかない文章を
自然とつなげていくというのだ。

では、もう散歩に連れて行ってもらえない子どもは絶望なのか。

そこで間接体験の読書がやはりいいのではと思う。

この本の中でも、読書はゆっくり丁寧にを推奨しているが。
(多読、速読はかえって毒)
ぜひ子どものうちから読み聞かせをと思わざるをえない。

それも10歳までにたっぷりと。

読み聞かせは、絵本ではなく本がいい。

文字を読まなく、本を読んでもらった子は
10歳になって突然、難しい本でもすらすら読むようになる不思議。

AIに負けない子どもは難しく考えなくても
本を一緒に読むことで、ある程度解決できるのでは、と今まで実際に子どもをみている側からいくと
思ってしまうのでした。